Date: Fri, 11 Oct 96 12:44:00 JST From: UVSOR USERS NEWSSubject: [UUN:10] UUN 1(4) 1996.03.01 UVSOR将来計画資料 (2/3) To: UUNML@wbase.fuee.fukui-u.ac.jp (UVSOR Users (News) ML) X-Mail-Count: 00010 II. 将来計画の中間報告 本年度、実施の各委員会での議論を踏まえた上で、現時点でまとめたUVSORの将 来計画の中間報告を示す。これは、平成7年12月27日開催の第9回分子研将来計画 委員会で承認を得たものである。 (1)光源、分光器、測定装置のスクラップアンドビルドにより世界的に 競争力のある研究成果を挙げる 現有装置のスクラップアンドビルドは『分子研リポート'93』の極端紫外光科学 分野「点検・評価と課題」の外国人評価結果(pp.224-226)および『分子研リポー ト'94』のUVSORの点検評価の報告(pp.191-196)で強く指摘されており、現在、総 力を挙げて実行しているものである。財政的には本年度は補正予算で支援を受けた が、来年度以降、先導的研究設備費(COE分)や特別設備費(概算要求)等で支援 を受けるべく準備しているところである。マンパワーに関しては所内ばかりでなく 所外のユーザーにも協力を仰いでいる。 (2)レーザーを併用した新しい放射光分子科学の実験技術やサイエンスを発展 させる UVSORとレーザーの併用による新研究分野の開拓は『分子研リポート'94』の分子 研将来計画委員会研究分野検討小委員会の報告の中でレーザー開発研究センターの 創設(pp.201-204)理由のひとつの柱になっているものであり、また、UVSOR施設 に対する検討事項(pp.210-211)にも含まれている。現在、『分子研リポート'94』 の将来計画委員会UVSOR検討小委員会の検討結果(pp.222-223)に従い、既存のレー ザーを利用した試行的な実験で研究成果が出始めてはいるが、このような研究を本 格的に展開するには、UVSOR光源の増強とレーザー開発研究センターの早期実現に よるレーザーの開発が必須である。また、『分子研リポート'94』の将来計画委員 会 UVSOR 検討小委員会の報告(p.223)で自由電子レーザー(FEL)の開発研究は 現UVSOR施設で今後も続けるべきであるとの指摘があり、来年度より平成7年度導 入の円偏光アンジュレーターを利用した新しいタイプのFEL開発を始めることにな った。 (3)所外の第3世代高輝度VUV・軟X線光源を利用した先端的な分子科学研究を行 う 第3世代高輝度VUV・軟X線光源の利用計画は『分子研リポート'94』のUVSOR施設 の点検評価の報告(p.196)および将来計画委員会UVSOR検討小委員会の報告 (p.223)で UVSORの将来計画のひとつの選択肢として提案されているものである。 これは所外の情勢に大きく左右されるので、現在のところ、所としては具体的な動 きにはなっていないが、世界の進歩に遅れないように日本でも早急に高輝度VUV・軟 X線放射光の利用を推進しなければならないので、個々の研究者レベルで種々の所外 の計画に協力している。なお、『分子研リポート'94』に報告のある将来計画委員会 UVSOR検討小委員会ではこの将来方針には分子研の独自性が失われる危険性があると の指摘があった。独自性を失わないように文部省傘下で高輝度VUV・軟X線光源が実 現した際には、その敷地内に分子科学研究所の分室と専任スタッフ(助教授1名、 助手1名、技官1名程度)を新規に設置・配置し、分子研独自のビームラインを建設 して分子科学の研究を推進する態勢が必要とされよう。 (4)次世代光源をUVSORの次期計画(UVSOR II)として建設し、 新しい研究分野を開拓する 分子研に適正規模の新規次世代光源を建設するという将来計画については『分子 研リポート'94』の将来計画委員会研究分野検討小委員会の報告(pp.210-211)に 従って将来計画委員会UVSOR検討小委員会で検討した結果(pp.222-223)、技術的 な可能性を含めて、また、より長期的な観点とも関連づけながら、充分検討する必 要があるとの結論になった。さらに、『分子研リポート'94』のUVSOR施設の点検評 価の報告(p.194)、将来計画委員会研究分野検討小委員会の報告(p.211)、およ び将来計画委員会UVSOR検討小委員会の報告(p.222)にあるようにUVSORの長期計 画を具体化していく上で光源関係の教授ポジションが必須である。現在、新光源計 画の施設名の仮称をUVSOR II とし、技術的に検討を進めている。第1回UVSOR II 検討会の報告書をIVとして添付した。