Date: Fri, 11 Oct 96 12:43:28 JST
From: UVSOR USERS NEWS 
Subject: [UUN:9] UUN 1(4) 1996.03.01 UVSOR将来計画資料   (1/3)
To: UUNML@wbase.fuee.fukui-u.ac.jp (UVSOR Users (News) ML)
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UVSOR利用者懇談会への正式登録を!!!(前号・今号2a2を参照)


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*     UVSOR USERS NEWS (UUN) Vol.1 No.4 (1996.03.01)     *
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                前号 Vol.1 No.3 は 1996.01.26 発行済
                事務局 uunoffice@lunasor.ims.ac.jp

UVSOR将来計画資料

                      UVSOR利用者懇談会事務局

  前号でお知らせしたとおり、1月8日に開かれたUVSOR利用者懇談会総
 会で、小杉UVSOR施設長から、UVSORの中長期計画や新リング計画に
 ついての説明がありました。

  このとき、分子研の自己評価報告書「分子研リポート’95」向けの「極端
 紫外光実験施設の将来計画(中間報告)」の原稿が資料として配布され、これ
 に基づいて説明がなされました。これは出席できなかったユーザーにとっても、
 現在進行中の個々のビームラインのスクラップアンドビルドを超えた時間スケ
 ールで将来を考える際の良い資料と思われますので、小杉施設長より資料を戴
 いて配布することにしました。
  ただし、この資料を掲載するにあたり小杉施設長より注意事項として、この
 資料はあくまで中間報告なので、今後の議論や世の中の情勢変化で将来計画の
 内容が見直される可能性があること。また、特に長期的な将来計画としては、
 現UVSOR施設の将来の問題以外に、分子科学分野のCOE (卓越した研究拠点) で
 ある分子研としてどう放射光を利用した科学を展開するかという観点で議論が
 進んでいること のニ点を断るよう言われています。
  また、UVSOR利用者懇談会としても、執行部がこのような討議の場に参
 加して、ユーザー各位に情報を流し、またユーザーの声を討議の場に反映した
 いと思います。
  ご意見があれば、事務局や世話人にお伝え下さい。

  資料は長文ですが目次がありませんので、目次を添え、内容や討議の場の概
 略を説明してから本文に移ります。
 [なお、最後に述べられている新リングの図、パラメーター表は、メールで送
 り難いので省いてあります。興味のある UVSOR メールリストメンバーの方は、
 文末の付録を参照してください。もっと、詳しい情報が必要な方は施設長に問
 い合わせてください。]

 目次
    I. 将来計画に関わる委員会等の概要
       1.学術審議会加速器科学部会ヒアリング(H7.3.22)
       2.第1回 UVSOR将来構想委員会    (H7.7.14)
       3.第1回 UVSOR II 検討会      (H7.12.7)
       4.第9回将来計画委員会       (H7.12.27)
    II. 将来計画の中間報告
   III. 第1回UVSOR将来構想委員会報告
    IV. 第1回UVSOR II 検討会報告 


 本文冒頭にも説明がありますが、
   I. は平成7年度の間、将来計画がどのような場でどのように討議・検討
   されたか
   II. はそこから出てきた現時点での将来計画
   III. と IV. は、材料となった2つの委員会での討議内容の詳細。

 です。I. で挙げられている場のうち、1の学術審議会加速器部会は、文部省
 の放射光に関する政策(施設の新設など)に非常に大きな影響力を持つ会議で
 す。本文にある今回出された答申は、ここしばらくの情勢を支配すると思われ
 ます。また、2−4は分子研内の組織ですが、このうち2、3はUVSORの
 将来を考える会なのに(ともに所長の諮問機関)対し、4は分子研全体の将来
 計画を考える場です。

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極端紫外光実験施設の将来計画(中間報告)


 Iに本年度、開催された極端紫外光実験施設(UVSOR)の将来計画に関わる委員
会等の概要を述べ、IIにそれらの委員会での議論を踏まえた上での中間報告を示
す。III,IVには委員会の内、第1回UVSOR将来構想委員会と第1回UVSOR II 検討
会の報告書を添付した。これらの委員会はUVSORの将来計画をさらに煮詰めるた
めに来年度以降も継続して開催する予定である。

I. 将来計画に関わる委員会等の概要

1.学術審議会加速器科学部会ヒアリング(H7.3.22)

 文部省傘下の現存する3放射光実験施設(東大物性研、高エ研、分子研)と新
規放射光光源建設計画を有する大学(東大、東北大、広島大)に対し、学術審議
会加速器科学部会の放射光ワーキンググループによるヒアリングが3月と4月に
行われた。ヒアリングの主査は東京理科大学の黒田晴雄教授であった。分子研 
UVSORとしては、これまでの共同利用・国際協力の実績、平成5年・6年の点検
評価の報告、他の施設と比較した場合の特徴ある研究成果や研究分野の説明に加
え、次節IIの中間報告にまとめたような将来展望について施設長が説明した。
 その後、6月に学術審議会加速器科学部会としての答申がまとめられた。この
答申の目的は主に第3世代高輝度VUV・軟X線光源の建設計画をどのように位置付
けるかということにあったので、直接的にはUVSORの将来計画につながるもので
はなかった。しかし、間接的にUVSORの将来に関わってくる指摘が含まれており、
この点については7月14日開催の第1回UVSOR将来構想委員会で議論された。
        
2.第1回 UVSOR将来構想委員会(H7.7.14)

 i) UVSORの現状報告、ii) 所外委員による国内状況と最近の状況変化、特に学
術審議会加速器科学部会の答申についての説明、iii) 新規光源建設計画を有して
いるところの代表者からそれぞれの計画の概要や問題点の説明、iv) UVSORの置か
れている状況と将来方針に関して大局的な立場からの検討と討論など。詳細はIII
に示す報告書を参照のこと。

3.第1回 UVSOR II 検討会(H7.12.7)

 所外の光源開発の専門家に参画してもらい、将来計画のうち、新光源建設計画
に対して検討を行った。詳細はIVに示す報告書を参照のこと。

4.第9回将来計画委員会(H7.12.27)

 本年度の分子研の将来計画に関する全体会議の議題のひとつにUVSORの将来計画
が取り上げられた。上記1〜3の委員会等の報告がなされた。さらに『分子研リ
ポート'93』と『分子研リポート'94』の報告にあるものをまとめ直した結果、
UVSORの将来の方向として次節IIの中間報告にあるように(1)〜(4)に大別さ
れることが示された。現時点での取り組み方を含めて、それぞれに対する内容につ
いて議論した。来年度以降、議論をさらに煮詰める際には、新しい光源を利用した
新しい研究テーマに関する議論を行うこと、また、放射光を利用した研究の特殊性
について分野外の研究者にも理解を得る努力をすることなどの指摘があった。